都営桐ヶ丘一丁目団地(GW05街区)

設計・建築 中川巌・建築綜合研究所
構造 レン構造設計事務所
設備 株式会社ピーエーシー
敷地面積 6182.19㎡
延床面積 6207.09㎡
建築面積 1175.37㎡
階数 地上9階
構造 RC造
工期 2018年7月~2020年3月

 

◆コンセプト

□南門広場(コーナープラザ)のある都営団地計画

〇GW05街区の位置づけ

本建物のある桐ヶ丘団地は20haを越える広大な敷地に、昭和20年代後半から約5000戸建設されました。

老朽化に伴い平成八年度より建て替えが進み、H24年に告示された地区計画により道路や公園なども含め、団地地区全体の再整備が進んでいます。今回設計したGW05街区は、再整備に伴い広大な団地を東西南北につなげる十文字の道路と南側都道との交差点の西側に位置し、これから新しく生まれ変わろうとしている団地のエントランスゲート(門)として位置づけられる場所にあります。

そこで、本計画では、団地のエントランスゲート(南門)としてふさわしく、本住棟の敷地に団地中央部の桐ヶ丘中央公園・避難広場、更には団地北側へと人を導きいれる”南門広場のある団地計画”を提案いたしました。

 

〇公共の南門広場とプライベートな催物広場とその機能

・南門広場:賑いゾーンに面した団地の南エントランスとして、誰にでも分かり易い交差点を中心とした半円形の広場

・団地全体のエントランスとして、集合広場、休憩所他、団地全体案内板、避難経路、掲示板等の設置による情報発信の機能

・緊急車両の駐車スペース、防火水槽等の設置等による災害時の救援・救護のためのネットワーク拠点としての機能

・検診車、献血車などの停車場として、団地生活を支援する機能

 

・催し物広場:住民の日常生活をより安全でゆとりや豊かさのある住空間とする為の住棟前のプライベートなコミュニティ広場

・集会所と一体的に多目的に利用できる催し物広場としての機能

・ポケットパークやシンボルツリーによる、子供の遊び場や住民のふれあい空間としての機能

・近隣の住民が一時避難できる災害時一時避難場所としての機能

 

〇緑の回廊による緑が連続する街並みの創生

南門広場の門構えとなる落葉高木の円形並木等により緑の回廊を作り、南側のナショナルトレーニングセンター付近から赤羽自然観察公園、善徳寺へとつながるトレセン通りの並木道を、緑豊かな桐ヶ丘中央公園へと結びつけ、緑の連続する街並みを作り出します。